私の教室に習いに来ていただいている生徒さんたちには、せっかく時間とお金と労力を使っているからには、自力で楽譜を読めるようになっていただき、私のもとを巣立ってからも、楽しく豊かに音楽を奏でられるようになって欲しい、と考えています。
それを実現するレッスンとして、主にクラシックの曲を弾いていただいています。
もちろんクラシック「しか」やらないのではなく、ご希望があれば、ディズニーやジブリやその他の流行りのポピュラー曲を弾いていただくこともあります。
あくまでもご希望があれば、です。
私がクラシックの曲をレッスンする理由は、大きく三つあります。
理由① ピアノを習得するには、ポピュラーよりもクラシックの方がやさしいから
「クラシックってお堅くて退屈そうだな、、、」
「そんな “高尚” な音楽、うちの子にわかるかしら、、、」
「ジブリやディズニーの方が耳馴染みがあるし、子どもも楽しめそう」
昨今では「クラシック」という言葉に、そんな敷居の高さのようなものを感じている方は少なくないかもしれませんね。
「 “ベートーヴェン” なんて、もう名前を聞いただけで難しそう、、、」
「うちの子にそんなことできるのかしら、、、」
そんなふうに「クラシックは難しい」と思われている方にとっては意外かもしれませんが、実はピアノという楽器を習得するには、流行りのポピュラー音楽よりも、クラシックのほうがずっと「カンタン」で「習得するのが早い」んですよ。
せっかくピアノを習って練習するからには、ちょっとでもラクに、早く、弾けるようになったほうがきっと楽しいし、やる気だって出ますよね。
そのための教材としては、流行りのポピュラー音楽よりも、実は昔ながらのクラシック曲の方が適していると、私は長年の経験から感じているのです。
今までも、折にふれて書いていますが、ポピュラー音楽は、崩しているリズムや音型が多い音楽です。
何も知らないまっさら状態の初心者の生徒さんは、やはりまず音の場所を覚えて、リズムの基本を覚えていただくのが大前提だと思います。
それを学ぶのは、クラシックが最適だと考えます。
絶対クラシックのほうが、単純で弾きやすいです。
どうしても知ってる曲が弾きたい‼︎と言うなら、カエルのうたとかちょうちょうとか、昔ながらの民謡のような曲だと、音の並びが単純で、リズムも一定なので、おすすめです。
なにしろ「ピアノを弾く」という作業は、楽譜を見ながら、左右の手で違うことを弾く、という超複雑なことをするわけですから、楽譜に書いてあることが複雑だと、それだけでお手上げですよね。
他のことも同じだと思いますが、特にピアノは、「慣れ」が重要で、楽譜を見ながら左右違う動きをすることが、苦にならなくなるまでには、それ相等の時間は必要だと考えます。
クラシックで、ひとつずつできることを増やして行って、ステップアップできるといいですよね。
たとえば、16分音符で音階を弾くところが出てくれば、他の曲で、16分音符の音階が出て来た時に、つながりますし、伴奏型もよくある形が出て来て、習得できれば、他の曲でも使えますし、ペダルを踏んでみたら、踏むタイミングは、響きが変わる時に踏み変えることが大事だということもわかります。
一曲マスターすると、他の曲にも使える技術が得られることが多いのです。
お得ですよね!
そうは言っても、たまには大好きなディズニーやアニメの曲を弾きたいという子もいるでしょうし、たまに弾いて気持ちが上がるなら、それも良いことではあるんですけどね。
理由② 幼少期に美しい名曲に触れていることは貴重な経験になるから
基礎基本を学ぶのに、クラシックは最適、と書きましたが、それだけではなく、やはりクラシックの曲には、何度弾いても飽きない魅力が詰まった曲がいっぱいあると思います。
お子様向けのやさしい曲であっても、一曲として完成度の高い曲の数々は、ただ聴くだけでも、聴くに耐え得る素晴らしい作品なのです。
発表会で、常にみんなに人気のある曲の数々。
たとえば、エステンの「人形の夢と目覚め」ブルクミュラーの「アラベスク」ベートーヴェンの「エリーゼのために」ギロックの「雨の日のふんすい」などなど。
発表会では、何年も前から弾きたい‼︎と予約が入ったりするのですよ。
これらの曲が、何故人気があるのかというと、情景が想像しやすくて、しかも16分音符でキラキラを表現できたり、ペダルで響きを豊かに作ったり、手が交差して、見た目もカッコよかったり、曲全体の起承転結がはっきりしていて、聴いていてもワクワクするからだと思うのです。
幼少期に、このようなワクワクする曲に触れていれば、想像力が豊かになると思いませんか?
もっと上級の曲では、ショパンの「子犬のワルツ」や「ノクターン第二番」ベートーヴェンのソナタの数々や、ドビュッシーの「ゴリウオークのケークウオーク」などなど。
数限りなくみんなが憧れる名曲はあります。
これらの曲は、万人にウケる魅力があるのですね。
是非生徒さんたちに経験していただきたいと思います。
理由③ 結局は後でポピュラーも楽に弾けるようになるから
ポピュラー音楽独特の、タイで拍をずらして弾くとか、独特の和音などは、楽譜の読み方が理解できれば、かなりラクに弾けるようになります。
いわゆるソルフェージュ力(楽譜を読んで、すぐに音や音型を理解して再現する力)が高いと、すぐに弾けます。
私としては、中級程度(最低でもブルクミュラーが自力で弾けるくらい)の実力があれば、短期間で楽しく弾けるのではないか、と考えます。
そこまでの実力がつくまでは、クラシックでコツコツ弾き慣れることが、結局は、ポピュラーを弾きこなす早道なのではないか、と思うのです。
たとえば、小学校である程度大きくなってくると、合唱コンクールの伴奏に憧れる子も沢山出てきますよね。
最近の合唱曲は、ポピュラー寄りの曲が多く、結構難しいのです。
限られた練習時間でのオーディションなどになった場合は、小さい頃からコツコツと基礎を重ねていた子は、そうでない子よりずっとラクに早く弾きこなすことができます。
詳しくはこちらの記事に書いておりますのでご覧ください。
合唱コンクールのピアノ伴奏に必要な実力ってどれくらい?
そして、大人になってバンドを組んだり、好きなドラマの曲を弾きたいと思った時にだって楽に弾けるし、仕事で疲れた時や辛いことがあった時にも、ピアノを弾くことが、人生の潤い、豊かさとして癒しとなってくれるんです。
また、クラシックで楽譜をしっかり読めるようにしておけば、たとえば吹奏楽などで、他の楽器をすることになっても、ラクに楽譜が読めるので、すごく得ですよね。
技術の積み上げという習得の面。
美しい名曲に触れるという子供の精神面の影響。
後々ポピュラーにだって楽に弾けるようになるという中長期的な面。
この三点において、大人になってから、クラシックでピアノを学んでおいて、本当に良かった‼︎と思ってもらえたら、こんなうれしいことはありません。
基礎を大切に、その曲らしく弾けるようにご指導します。
幼稚園年中から大人の方まで、お気軽にお問い合わせください。
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