私が、常日頃からピアノレッスンで大事にしていることの中に、「自分で音符が読めるようにすること」があります。
本当は、音符だけではなく、拍やリズムもなのですが、まずは、88鍵もあるピアノを弾くには、やはり自力で音符が読めないことには、始まらないからです。

今回は、楽譜をスラスラ読むことができるために、大野ピアノ教室が、どんな取り組みをしているかをご紹介したいと思います。

耳コピーは有効か?

耳コピーでもなんとかなるんじゃないの?と思っている方も多いかもしれないですが、最初はよくても、だんだん難しいピアノ曲になってくると、音符の数も多くなってきて、耳だけでは処理しきれなくなってくるのです。

よそのお教室から移ってくる生徒さんの中には、難しい曲が弾けるから、大丈夫なのね〜と思って、同じレベルのピアノ曲を宿題に出したら、自力ではまったく楽譜が読めない、という方がいたりしました。

よく言えば、耳がとても良いのだ、と思うのですが、とても残念な事例です。
指は動くわけだから、それに読譜力がついてくれば、鬼に金棒ですよね。

幼児ちゃんは、レッスンでドリルを使います

とはいえ、音符がスラスラと読めるようになるのは一朝一夕では身につきません。
亀の歩みのように思うかもしれないですが、少しずつ何度も反復して、音符の玉を見ただけで、パッと読めるようになってもらいたいのです。

 

遠藤蓉子著 にじいろワークブック1〜5
遠藤蓉子著 おんぷ・にこにこ・ワーク1〜5
サーベル社
(この中から、適宜使います。)

 

初心者の幼児ちゃんには、弾く教材の他に、必ずドリルを使います。
にじいろワークブックや、おんぷにこにこワークなどを使います。
私は、ト音記号とヘ音記号を同時に教えて行きますので、真ん中ドから、ト音記号は、ドレミファソ、ヘ音記号は、ドシラソファまで、まずは徹底的に繰り返します。
いろおんぷと言って、ドは赤、レは黄色、ミは緑、ファはオレンジ、ソは空色と色で使い分けをしたりすることもあるのですが、私は、それはやらないことにしています。
なぜかと言うと、いつまでも色に頼るわけにはいかないので、黒い音符に戻すと、色で覚えてしまった生徒さんが混乱するからです。

イラストを塗ってきてね、と言うと喜んで塗ってきてくれるので、色鉛筆は、お楽しみのお絵かきの延長として使っています。

小学生の生徒さんは、おうちでの宿題としてドリルは出して、丸つけをして終わりますが、幼児の生徒さんは、レッスン中に、私といっしょにドリルをします。
数ヶ月もすると、大譜表(ト音記号とヘ音記号が同時に書いてある楽譜)で、ランダムに並んでいる音符がスラスラと読めるようになってきます。
どのくらい速く読めるかな?とよーいドン!みたいな感じで、鉛筆で指した音符をどんどん読んでもらいます。
フラッシュカードのような感覚ですね。

ほとんど間違えずに読めるようになってくると、生徒さんも満面の笑みだし、私もよっしゃ〜とうれしくなってきます!
同時に、音符を書くこともやってもらいます。
書くことで、確認になりますね。
書く音符も、幼児ちゃんでもほとんど間違えません。

小学生になるとおうちで宿題

 

遠藤蓉子著 小学生のためのおんぷワークブック1〜5
サーベル社

 

もう少し年令が上がってきて、読む音符の範囲も広がってきて、たとえばヘ音記号の低い音や、ト音記号の高い音が読みにくく感じる生徒さんにも、ドリルは使います。
小学生になってくると、学校で算数も習いますから、音符だけではなく、拍の長さや、リズムのことなどもいっしょに学んでもらいます。
この写真のドリルをやっている小4のHちゃんは、いつも大量に頑張ってきてくれて、丸つけが大変なくらいです!

弾く宿題だけじゃなくて、書くのもなの?と大変に思われるかもしれないです。
が、書くことで、記憶の定着につながるようです。
学校の漢字や計算ドリルと一緒ですね。

少しずつでもコツコツ積み上げて行くと、新しい曲をあげた時に、最初に必ず、ある程度、こういう曲だ、と説明するのですが、その時に、読むのが大変そうな音符を質問すると、ドリルコツコツやれた子は、すぐに読めるので、スタートで、かなりらくに感じることができます。

あとは、弾く前に、口で練習も有効です。
特に、16分音符などの細かい音の連続の時には、いきなり手を動かしても、うまく弾けません。
抑揚をつけなくてもいいので、音を書いてあるとおりに何度も言ってみる。
その後に弾くと、不思議なことに、脳に記憶されて、結構スラスラ弾けますよ。

楽譜を読むことが速くできると、曲全体を把握するのも速くできますので、弾き方のレッスンに時間をたくさん割くことができます。
せっかく曲を弾くのなら、下手っぴな演奏より、曲の感じが伝わる演奏ができるほうがいいに決まってますね!
楽譜読みを速くできるようにするには、やはり音符がスラスラ読めることが、必須になるのです!

千里の道も一歩から。
保護者の方にも、ドリルやった?と声かけしていただけるとありがたいです。

 

大野ピアノ教室(町田市成瀬が丘)では、体験レッスンを募集しています。
幼稚園年中から大人の方まで、どうぞお気軽にお問い合わせください。
お子様は、自分で楽譜を読んで楽しく弾けるように、大人の方は、好きな曲を弾いていただきます。
最寄り駅は、成瀬駅です。
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